広告作成の基礎知識 デザインレイアウトの法則を学ぶ01-準備編

デザインの基礎

広告制作において「デザインの良い」とはどの様な物なのでしょう。自分で作成して、どうしても他の物より見劣りするとか、何となく変な感じがする。依頼した制作物が今一つ納得出来ない、それは、色々な原因があり、センスなどと言語化して説明出来ない曖昧な言葉に振り回されず、体系化されたテクニックでデザインと広告全体を学ぶ事が基本です。

    • 視線誘導のテクニック
    • 準備編「ゴールを設定」
    • 準備編「ゴールを設定」
  • 延長線上の法則
  • 対比の法則
  • 空間把握の法則

視線誘導のテクニック-準備編「ゴールを設定」

1.ゴールを設定しよう

広告のレイアウトを考える前に制作物のゴールを設定をしましょう。ポスター、チラシの広告デザインには目的の最終ゴールと、目標としての視線誘導のゴールには2種類あります。 具体的には、動機から目的と目標を設定します。【動機】→【目標】→【目的】 (例)【最近売上・集客が落ちてきた】→【割引セールの実施・広告展開】→【○%の売上増】と考えると分かりやすいでしょう。

まず、最終目的のゴールとは集客であり、シェア拡大であり、収益増であるような制作物のゴールです。最終的にその制作物が設定した目的に達していれば、少々乱暴な言い方ですが、それが良いデザインです。

次にその目的を達成するための手段として目標の設定が必要です。宣伝効果というゴールに向かって設計図を組みます。数値化された目標、例えば電話で問い合わせて欲しいのであれば電話での予約、問い合わせ件数、このチラシを持参での割引であるのならクーポン券の利用数が明確な目標値です。この目標をゴールにして、一番分かってもらいたい部分の印象を強く伝え、消費行動へと導く事ができればきっと良い広告になります。ゴールに何を置くかそれによって効果が変わることを先ず理解して下さい。

では、チラシやポスターのどの部分にゴールを設定したら良いのでしょう。もちろんどの部分にゴールを置いても構いませんが、基本のデザイン方程式ではゴールは2箇所存在します。広告を成功に導くためにはゴールへの誘導をしっかりと理解する事が良いデザインの第一歩になります。

2.チラシやポスターのゴール

通常は左図の様に紙面左から右、上から下へと自然に視線は誘導されます。人間の記憶では最後に見た物、聞いたことが一番強く印象に残ります。紙面の中で一番最後に見てくれる場所をゴールと設定し、その部分を強調すれば、広告の効果も高い事が分かるでしょう。

3.視線の誘導

日本語のように縦書きで表記をする場合、2種類の視線の自然導線が存在します。

【視線誘導の特殊な例】
視線の誘導でも通常の流れから逆らう手法として強烈な色味やインパクトの有るビジュアルで誘導する。矢印や指で方向を指示するなど方程式外の手法は有りますが、普通の視線の流れをまずは覚えることが大切です。

上図は視線の誘導を図式化しています。日本語は縦書き横書き両方を混在させて使うことが出来ますので、その点でも視線誘導は複雑です。上級者になれば自由にアレンジしても上手くレイアウト出来るでしょうが、広告は冊子と違いページの概念が有りません。裏に情報が有る場合も有りますが、まずはこの2種類のレイアウトを基礎としてテクニックの幅を広げることが上達の近道です。

横書き縦書きのコピー2種類をご覧ください。どちらも優れた広告で、きちんと方程式に添っていることが分かります。左は焼いた人参から自然にキャッチコピーへと視線を誘導して(人参の置き方も重要)、1,2,3の説明プレゼントの情報を通って、トラックの写真と電話番号、QRコードを一体にしてのゴールへ設定しています。更に、延長線上にCI(会社のロゴマーク)で余韻を持たせ、裏面へ誘導しています。
縦書きの視線は化粧品から右側の縦書きのキャッチへ誘導され、元の化粧品のボトルを通って逆N字型「半額」とゴールへたどり着きます。プロダクツフォト(商品写真)を抜いて金額と説明に添わせて電話番号から QRコードの右下へゴール設定し、裏面へ誘導しようとしていることが分かります。
以上が、視線誘導により各自の設定したゴールへユーザーを導くデザインテクニックの基礎です。この様に一つの広告を作るにも適当に写真に説明を付けて出来上がり、では無く、緻密に計算されて作られています。その計算が出来ていなかったり、最初から論理的に思考されていない広告に結果がでないのは当然でしょう。

    • 準備編「ゴールを設定」
    • 基礎編「レイアウトの法則」
  • 延長線上の法則(レイアウトグリッド)
  • 対比の法則(ジャンプ率)
  • 空間把握の法則(カウンタースペース)